2013年度 理事長所信

12月 18, 2012 by
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樋口 將

第41代理事長  樋口 將

【 基 本 理 念 】

ノブレス・オブリージュの心で地域に貢献しよう!

 

【はじめに】

昭和48年11月に全国で528番目、岡山県内14番目のLOMとして総社青年会議所スポンサーのもと60名の期首会員で誕生した高梁青年会議所は、昨年で創立40周年を迎えることができました。私達の周囲の状況は時代と共に激しく変化してきましたが、「修練、奉仕、友情」といった不変の信条を守り創立以来40年の長きにわたり高梁圏地域の発展にご尽力され、一緒に歩んでこられました数多くの先輩方に心より敬意と感謝を表します。

また国の公益法人制度改革に伴い昨年8月より社団法人を解散し、新たに一般社団法人高梁青年会議所としてスタートしました。会員一同この記念すべき節目に今一度初心に立ち帰り、今後も地域から必要とされる青年会議所を目指し、2013年度のJC運動を進めて参ります。

【笑顔あふれる組織を創るために】

2008年12月からの国の公益法人制度改革により、社団法人高梁青年会議所は、現在のLOMの状況や公益社団法人と一般社団法人を何度も比較検討した結果、メンバーの総意により一般社団法人格への移行を行いました。これからは一般社団法人高梁青年会議所として新たに歩んでいきます。

しかしながら我々の進むべき道はこれまでと何ら変わりはありません。我々は今まで通り明るい豊かな社会を築くために、率先して地域のリーダーとして行動していかなければなりません。また、長引く不況や会員の減少の中でも、メンバーひとりひとりが笑顔で青年会議所活動を行えるようこの機会をチャンスと考え、時代に即したLOMの運営の在り方を見直していくと共に、45周年、50周年に向けて新たな組織を創る取り組みが必要であると考えます。

そのために会員全員が同じ意識を持ち、研修を重ね、力強い組織となり、我々自身の足元をしっかりと固めなくてはなりません。将来の道標となるべく全員で活動していくという団結力が不可欠です。青年会議所活動の基本である着実な委員会活動と理事会運営、さらには委員会の枠を超えた横の連動により、より効率的な事業運営活動を起こします。

【笑顔あふれる組織の魅力を発信するために】

JCは広域の活動エリアと視野を持ち、公益性を旨とする青年団体です。私たちが行う事業は地域の市民のためでなければなりません。そしてなるべく多くの市民に大きな益をもたらすことを目指していかなければなりません。
しかし、「JCとは一体何をやっている団体なのか」ただの質問ならばともかく否定的な意味合いでこのフレーズも多用されているのが現況です。我々はこの言葉を真摯に受け止め、改めてJCという組織の魅力を発信する必要があります。数々の事業は多くの人に理解し参加され、伝えたい体験やメッセージを広く浸透させることで初めて意味を成します。ビジョンや使命、メンバーの共有する価値観、その現われとしての事業の意義、目的を広く浸透させるためには魅力ある活動が前提ですが、高梁JCとはどんな団体であるのかそのメッセージをどれだけ深く広く伝えるかが最大の課題となります。

そのためにまず地域における各種団体の事業に我々ができる協力を行い、これからはJC単体の事業であっても今まで以上に各種団体に理解され協力いただける環境づくりが必要になってきます。今一度我々の活動を発信し、その関係が笑顔でがっちりと握手して継続できる形づくりを行っていきます。

【笑顔あふれるJAYCEEであるために】

青年会議所は次代のリーダーを育てる団体であると私は考えています。リーダーとはいくつかの資質が必要とされ、自分に欠けている資質を理解し仲間と共に補い成長し、時代の先頭を走り道筋をつけ、社会を牽引する使命が我々にはあるのではないでしょうか。そして私たちJAYCEEは、これまで以上に青年経済人としての責任を自覚する必要があると考えます。

またJC運動は勿論のこと、仕事上においても自らの立ち位置を十分に理解することは大変重要です。すなわちひとりひとりが自分の役割、担いを把握しそれを確実に行うという様な基本的な部分ももう一度見つめ直す必要があります。また誰しも大変な事からは逃げ出したくなるものです。限界を自分で決めつけ自分自身で納得しているのではないでしょうか。

しかし真の限界は自分では見えないものだと思います。だからこそ何事ももう一歩前へ前進し行動してみることが重要ではないでしょうか。行動することにより気づく事の出来るものも多く有るのではないでしょうか。熱い情熱を持って入会した頃に志した想いをもう一度呼び起こし、常に己の可能性を信じ如何なることにも熟考し、悩み、そして新たなる道へ活動すれば成長していけると確信しています。笑顔あふれるJAYCEEとしての人間力の向上活動に努めてまいります。

【笑顔あふれる子どもたちを育むために】

我々メンバーは20歳から40歳までの青年の集まりです。この社会を明るい豊かなものにすべく励んでいます。そのような思いやりの行動は必ず次の世代に託されると私は信じます。次の世代を担う青少年こそが次代の明るい豊かな社会を創り上げるはずです。ここ高梁の地で育った青少年には、出来ることならばずっとこの地にいてこの地を支えてほしいと思います。
しかし一方でいつかは郷土を離れる日が来るかもしれません。その彼らに「自分の出身は岡山の片田舎」の一言で済ませてほしくはありません。高梁の文化を知り、「郷土愛」、「家族愛」を持って高梁を誇ってもらいたいと願います。その気付きを持って頂くための青少年育成を我々は推進したいと考えています。

先の東日本大震災では改めて日本人のモラルやマナーを遵守する我々日本人の国民性が、諸外国から見直されました。そのような事象を誇りに思いながら今一度真摯に自分たちの姿と向き合い、大人としての人間力を高めていきたいと考えます。将来の高梁を背負う子どもたちを育み、彼らに率先垂範出来る資質を持った理想や憧れである大人・JAYCEEであるべく、積極的に活動します。

【笑顔あふれるまちづくりを行うために】

私たちの高梁圏地域は古来より育まれた悠久の歴史や文化、そして豊かな自然環境が存在し、特有の地域性を形成しています。これは私たちのこの地域のかけがえのない財産であり、誇りでもあり、今後もこの地域性を守りさらには魅力ある地域に発展させていかなければなりません。

しかし残念ながら急激な少子高齢化、過疎化がこの高梁を飲み込んでいっております。こんな時だからこそ私たち高梁JCは、その時代その時代に求められるまちづくり、この地域ならではのまちづくり運動を展開するために今できることを考え、率先して行動することを求められています。

また、2011年3月11日に戦後最大級の国難と言われる東日本大震災が発生しました。地震だけでなく、様々な自然災害が各地で猛威を振るっているニュースが連日飛び交っています。災害がいつ発生してもおかしくない状況であることを思うと、市民の関心を高めていくことも明るい豊かな社会を目指す上では重要なことだと考えます。そこで、この地域にとっての安心安全で魅力あるまちづくりのあり方を考え、笑顔があふれる市民のまちづくりに繋がる礎の活動を作っていきます。

【笑顔あふれる同志との出会いのために】

現在のメンバーのうち約3分の1が今後2年間で卒業するという現実があります。45周年時には半分です。我々はこの事態を前にいまこそJCの存在価値を問い直し、これから入会しようとする人達の前に「魅力ある高梁JC」を提示する必要があります。今いる我々メンバーが、「入会してよかった」「楽しい」と思えるJC活動を行い、「あの人のおかげで」「高梁青年会議所に入ったおかげで」と言わしめる事のできる魅力ある組織にすれば自ずと仲間は増えるはずです。

声高に「会員拡大」と言う必要はありません。まずはメンバーひとりひとりがJCに対して自信と誇りを持って組織や運動の魅力を積極的に多くの人に語ってください。そして私達の住む地域に対して積極的にJCの魅力を発信してください。その活動が必ずや共感を呼び、それがやがて必ず志を同じくする者との笑顔あふれる出会いと行動を共にする事に繋がると確信します。

【笑顔あふれる事業の飛躍のために】

戦後、高度経済成長を遂げ先進国入りし経済的に豊かになったわが国ですが、 その一方で一次産業である農業が衰退しつつあることは紛れもない事実です。 農業とは人間にとって「食」という生命に直結する産業であるため、衰退させてはいけないことは誰もが感じていることであります。しかし、先の大震災の影響で放射能汚染の問題やTPP問題、食品の産地偽装といった「食」への信頼を打ち砕く事件が相次いでおります。その反動かもしれませんが消費者は、急速に「食」への本物志向・健康意識が高まっています。

この機会に我々は昨年40周年記念事業として、「食のまなびや ~高梁JC農園~」を開催して農作物の栽培から収穫、さらに消費に至るプロセスを子ども達と体験し、今一度「食」に対する理解と家族の絆を再確認いたしました。今後さらなるこの笑顔あふれる事業の飛躍のために農作物の調査をして絆を深めたいと考えます。

【結びに】

基本理念にあるノブレス・オブリージュ(Noblesse oblige)とは、日本では”位高ければ徳高きを要す”と訳される格言です。約110年前に世界的にベストセラーとなった新渡戸稲造博士の著書「武士道」にも引用されており、見返りを求めない慈悲の心、黙して語らぬ克己の精神こそが真のノブレス・オブリージュと説いています。我々は幸いにもJC運動に参加できているチャンスを得ています。ノブレスを高貴さではなく個人の魂の輝きと捉えるならば、この概念は我々JAYCEEの精神的な支柱となり得ると考えられます。

そしてこの心を持ってメンバー全員が将来にSmile(笑顔)を何年も紡いで行くことが、一般社団法人高梁青年会議所が目指す地域への貢献の道であると思います。明るい豊かな社会を築くために我々の使命を一つずつ果たしてまいります。